Dear フランキー
舞台はスコットランド。シングルマザーにおばあちゃん、9才の男の子フランキーの3人家族が活気のない港町に引っ越しをしてきた。そんな画面から始まる映画「Dear フランキー」。
フランキーは耳が悪く、話すことが出来ない。しかし、学校でいじめられても、いじめっ子と逆に仲良しになれる男の子だ。そんなフランキーの楽しみは、記憶にない父親に手紙を書くこと。船に乗っている父親は世界各国から返事をくれる。でも、本当はママが私書箱で受け取って返事を書いていた。
いくつものなぜ?を散りばめながら物語は進む。
新しい町にも慣れた頃、ママにとっては困った事態が起きる。パパの乗っている船が町にやってくることになった。困ったママは一日だけの「パパ」を用意する。
スコットランドの少年が父親に見て貰いたい自分の姿は何だろうか。
やはり、それはサッカーをしている姿なのだ。
もともと運動が得意そうでもないフランキー。ゴールキーパーをしていても立っているだけ。だから、サッカーチームでも補欠に入れるかどうかもわからない。でも、パパが見てくれたら活躍できるかもしれないと手紙に書く。クラスメートはパパが来ない方にサッカー選手のカードを全部、賭けるという。ちょっぴりイジワルな友だちだけど、彼も本当はフランキーのパパが来てくれたらいいなと思っている。カードを全部ポケットに入れて練習に来ていたのだから。
港町、フィッシュ&チップス、サッカー、ロマンチックなフォークソング・・・。派手なところが何一つない映画だけれど、人情が心に沁みる。ウソをウソだと咎めたりすることはない。誰だってウソをつきたくてついているわけじゃない。ママやおばあちゃん、ママの友だち、1日だけのパパ、そしてフランキーも多くを語らずとも、お互いの気持ちがわかっているのだ。
まだ見ていない方は、秋の夜長に是非、「Dear フランキー」を。
おまけ。「Great White Horse」はすてきな歌。
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