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terça-feira, 27 de fevereiro de 2024

稲垣えみ子著『家事か地獄か』と私の暮らし その2

掃除洗濯料理が家事である。つまり稲垣氏のいう「自分の世話は自分でする」である。

誰もが自分のことは自分でするということが案外、できていないのが今の世の中ではないだろうか。私の周囲には定年退職した夫が家にいるという家庭が増えているが、夫さんたちは、まず家事をしていない。

「結婚退職」や「男子厨房に入るべからず」「良妻賢母」などという考えが残っていた世代だ。大半の人は1980年代に結婚をしている。仕方がないのかなとも思う。今からでも遅くないから家事をしたらとは思うが…。

親と子という関係においては、自分の世話を見られない「子」は都心部に多いのではないだろうか。実家にいて大学進学や就職ができるからである。家を出る必要がない。これは世代は関係ない。昭和生まれの子、私もその一人だった。

母がやっているんだから、私は手を出さない。あそこは母の領域とか思いながら、介護生活が始まるまで掃除洗濯料理は9割(1割は自分の部屋の掃除)行っていなかった。母もたまに文句を言うことはあったが、私の食事を作らないとか洗濯ものを放置しておくということは一度もなかった。この話を母親をやっている友人たちに話すと「ついでだしね」「やってしまったほうが早い」「そのほうが経済的」と言う。そして、母親たちは子供たちの世話をやき続けるのである。

こうして、自分の世話ができない大人が増えていく。

家事をすることは自立である。少なくとも自立への一歩だ。今の私はそう思える。自立とは自分の生活を自分で決められる自由だ。高齢になれば、病気やケガのリスクも高まる。どうしても自分の世話ができなくなる日もくるだろう。そうなった時には、自由が著しく損なわれる。私は自由でいたい。だから、本当に今さらだけど、自分の世話を頑張って(!)していこうと思う。

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