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domingo, 23 de abril de 2023

夢と現実

65歳にとっての夢とは?

10年ぐらい前には、親が死んで「天涯孤独」になったら、フラフラと海外旅行でもするかと思っていた。年金の支給額や自分の貯金額のことなど考えていなかったから、これは夢想だ。いや、まったく経済的なことを考えていなかったわけではない。よく「私に老後はない」と言っていたし、ずっと翻訳の仕事を続けるつもりだった。ただし、親の介護という現実を考慮していなかった。

母の介護が必要になり始めた60歳ぐらいから、タイムングを合わせたように仕事量が減り出した。フリーランスだから本来は、営業をして新たな仕事を探すべきだったのだが、年々、親の介護度は進み、仕事に集中できなくなり、「翻訳の仕事をしてます」とは言えない状態になり、今を迎えているわけだ。

そして、現在、65歳。正直言って、もうひと踏ん張りして、翻訳にしろ、ほかの仕事にしろ、ものすごくやりたいのかと言えば、即答でYES!とは言えない。仕事を中断したことで、働くという状態に自分を置ける自信がなくなったし、世に言われている健康寿命の75歳まで10年しかないのである。元気なうちにしたいことは仕事ではない気がする。65歳という現在地からどこを見て生きるのかな。

朝起きて、今日も元気に目が覚めました。夜は、今日一日、優しい気持ちで過ごせましたと眠る日々を重ねていくのだろうか。

それとも、75歳までにアレコレを成し遂げたいと思うのだろうか。アレコレって何?だけど。そういう意味では、したいことが分からない15歳から変わってない。すごい結論だな、こりゃ。

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選挙

母が通っていた、運動やリハビリをする通所サービスで一緒だった人から昨晩、電話があった。

お母さんはお元気ですか~から始まったので、そうだ、亡くなるちょっと前にこのサービスに通うのを止めていたのだと思い出し、亡くなったことをお伝えしていなかった非礼を詫びつつ、ご機嫌伺いの電話だろうかと思っていたら…

「あなた、選挙、お知り合いとか?」

意味が分からず聞き直すと、「選挙では誰かに頼まれて投票する人は決まっているのか?」ということなのだ。

考えてみれば、母もそうだった。近所の人に頼まれた立候補者に投票していた。そんなので選ぶってあり?と常々思っていたが、この年代の人にとっては、よくある話なんだろう。私なら学級委員の選挙だって頼まれたから投票するなんてことはないぞ!と思っていた。

すでに投票は済ませていたので、「期日前に行って投票しました」と告げた。

「あら、残念だわ。私も期日前に行ったけど、今回、混戦なのよね。候補者が多くて。4期続けている人なんだけどまだ様子が見えないそうよ」

とご説明があった。そして、「お母さん、おいくつでした?」と話が戻る。
「90歳でした」
「それじゃぁ、まぁ、仕方がないわよね。私はいくつだと思う?」

母より上だったのは覚えていたので「94歳ぐらいですか?」と聞くと、

「98歳」

スマホユーザーで朝はラジオで語学番組を片っ端から視聴しているという話は聞いていたが、選挙運動で電話してくるとは!降参です。

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domingo, 16 de abril de 2023

ただいま、カシマスタジアム!

2018年以来のカシマスタジアムは、意味深い観戦になってしまった。

「なってしまった」というのも変だけど、カシマスタジアムにおける5失点は1995年エドゥーの時代のヴェルディ戦以来2度目だというし、試合後に鈴木優磨とゴール裏のやりとりという、史上初の出来事もあった。試合開始前には予想もしていなかったことが起きた。

失点に関しては、「5点取られるかも」と前半終了時で言ってしまった私が悪いのかもしれない。言霊…。でも、それぐらいの差は明らかだった。気持ちよさそうにプレーをしている神戸に対して、なんというか、プレーは遅いし、ごちゃごちゃしているし、自信なさげだし、鹿島はダメだった。いったい何をどうしたらいいんだ?と頭を悩ましても私が解決をすることはできないので、とりあえず考えないようにしよう。

でも、こういうことで頭を悩ましたり、がっかりしたり、腹を立てたりできるっていうのは幸せなことでもある。戦争をしているとか、飢餓に陥っているとか、交通費が出せないとか、そういう環境にはなってない。そして、何より鹿島アントラーズが存在していて、カシマスタジアムが5シーズン前と同様にあそこにあったのだ。興味がない人から見たら、くだらないことであーでもない、こうでもないと言ってられるのは、鹿島があってこそだ。ありがたい。

本当は、カシマスタジアム行きの直行バスにどれほど緊張して乗って、緊張したのに、いつもどおり爆睡したとか、歩道橋から見えたスタジアムが感動的だったとか、QRコード入場でモタモタしたとか、しらす丼が変わらずおいしかったとか、友だちに会えてうれしかったとか、久しぶりの鹿島体験を書くつもりだったのになぁ~。

日常生活が戻ってきた!

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quarta-feira, 5 de abril de 2023

感想文:乗代雄介著『旅する練習』

サッカー好きの小学6年生、亜美(あび)と作家である亜美のおじが、春休みに鹿嶋を目指して歩く話と聞けば読まずにはいられない!と買ったはいいけれど、ずっと積読になっていた。病院の診察待ちで読む本に重さが軽い本はないかと探して積読の山から取り出した。

中学に入ってもサッカーを続ける亜美はリフティングやドリブル、時にはおじさんとパス交換などサッカーの練習をしながら旅をする。おじさんは風景を書くという練習をするという設定で話が進んでいく。

私が鹿嶋に行くときは東京から高速バスで行くので、この二人が歩く道は最後の鹿島神宮のところ以外はまったく知らない。おじさんの風景描写を頼りに想像力を働かせながら読み進めていたけれど、なかなか厳しい。想像力が足りない。この先、読み続けて鹿嶋にたどり着けるのだろうかと不安になり始めたが、第三の登場人物、みどりさんが旅に加わって、俄然、面白くなった。

亜美はほんの短い時間、みどりさんの姿を見ただけで鹿島のサポーターだと気が付く。リュックにぶらさがっていたキーホルダー、着ていたジャケットの色だ。これは、サッカーファンあるあるだ。町でふとすれ違った人の持ち物や服の色で応援しているチームがわかる。よくぞ、そういうことを書いてくれた!

みどりさんが鹿島のサポーターになったきっかけはジーコだ。その理由がみどりさんの口から語られるのだが、現役時代のプレーでも鹿島における功績でもない。テレビ画面越しに見た日常の何気ないふるまいである。その話がストンと腑に落ちた。なぜなら、私が鹿島ファンになったきっかけも似たようなものだったから。私の場合、試合中のしぐさなのでプレーと言えばプレーだが、ヴェルディ川崎(当時)戦の「つば吐き事件」とその後のジーコのふるまいだ。

サポーターになるきっかけは人それぞれだし、プレーや試合だけではない。ふとしたことから、その人やクラブへの興味が深まって、熱心なサポーターになる。だから、そういう話を小説で読むことができてうれしくなった。物語の中でジーコはみどりさんの人生に大きくかかわっていく。

「この人のこと知らなかったら、旅にも出てなかったし、二人にも会えなかった。それってすごく不思議なことでしょう」
(中略)
「大切なことに生きるのを合わせてみるよ、私も」

コロナ渦に書かれた小説であり、3年経った今、2020年春の空気を思い出させる話でもある。おそらく、この話の続きはない。でも、それぞれの3年後を知りたい気がする。

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