99.9999%の危機意識をファン獲得にも抱いてくれ!
鈴木満強化部長は「そもそもウチは、99.9999パーセント、Jリーグに上がるのが無理だと言われたチームですからね。どうしたら生き残っていけるかということしか考えていないんですよ。ウチにとっては、危機感を持つことが前提になっているのです」と言っている。
その危機意識を持っているおかげで、クラブはJ2に降格することもなく、優勝争いに数多く絡み、17冠を達成することができた。99.9999%への「なにくそ!」という気持ちが20年以上も継続され、「強いクラブ」を作るということに繋がっているのだろう。
しかし、ファン・サポーターを増やしていくということについては、その99.9999%の意識は反映されているのだろうか。
クラブ創成期に努力がなかったとは思わない。ジーコやレオナルド、ジョルジーニョを呼んできたのはクラブだし、それこそ、99.9999%Jリーグ入りが不可能だと言われたクラブが初年度のファーストステージを制覇するという話題性を獲得できたのもクラブが強かったからだ。しかし、Jリーグブームという大きな波があったことも確かだろう。1万5000人収容のスタジアムは常に満員御礼。チケットは希少価値だったから手に入ればカードを選ばずにスタジアムに嬉々として行っていたサポーターは多かっただろう。
現在は、対戦相手が人気のあるチームでもない限りは拡張されたスタジアムが満員になるどころか、2万人に達することもない。拡張以前と大差のない1万5000人前後の観客数だ。水曜日の試合は以前より入場者数が減っている。
危機意識を持って努力している結果が1万5000人という拡張前と同じ数字なのだろうか。
努力をしていないとは思わないが、ファン獲得に苦労をし、努力を重ねてきたクラブに比べると危機意識も努力も足りないのではないだろうかと思わされることが多い。
ホームタウンの人口が少ない。ホームタウン外にサポーターはいても、東京駅からバスで2時間はかかる。東京駅へ徒歩で行けるサポーターはいたとしても少数派だろう。お金も時間もかかる。鹿島というクラブは集客において、最初から大きなハンデを背負った状態なのだ。「強ければ入場者数は増える」こともあるかもしれない。でも、それだけではホームゲーム17試合に満員御礼が出ることはない。2万人にも達しないだろう。
川崎フロンターレが2000年ころ、試合終了後、選手が出待ちをしているサポーターにサイン入りのカードを手渡していた。それを見た私は少々優越感に浸りながら「ファンを獲得するって大変なものなんだな」と思っていた。川崎Fは地道な努力を続け、等々力に行くたびにゴール裏の人数が増えていることを実感した。
実際にはどうなのだろうか。川崎Fと鹿島の入場者数を比べてみよう。2000年は川崎Fが1試合平均7439人。鹿島が1万7507人。昨季の入場者数は川崎Fが1万6661人と2000年に比べると2倍以上になっているが、鹿島は1万7665人と微増。2015年は15試合終了時点で1万5419人と昨季に比べても減っている。
単純に比較できるものではないかもしれないけれど、これは悔しい話でしょう。「負けず嫌い」という精神をファン獲得にも発揮してもらいたい。
鹿島が優勝をすれば、メディアは鹿島らしさについて称賛の言葉を送ってくれる。かつてはサポーターが多いこともその中に含まれていた。地元密着で地元の人たちに愛されているJリーグの精神を具体化したクラブだと書かれていた。しかし、今の記事には、そういったことがクローズアップされることはない。それが実情だ。
大きな広告代理店やマーケティング会社にお金をかけて任せなくても、ファンやサポーターの気持ちが分かる人にWEBサイトやグッズを作ってもらうだけでも違うと思う。川崎Fがサインカードを配っていたように、小さなことからコツコツやることだ。
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