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quarta-feira, 23 de novembro de 2011

ATOKATA

新宿の本屋さんに震災関連の写真集がまとめておいてあった。震災直後には本屋の目立つところにあった写真集などもあっという間に店頭から消えていったので、暮れが近づいてきたから復活したのかなーと思ったりもしたが、違っていた。震災から8ヶ月が過ぎて新刊本がかなり出てきたからだ。

その中のひとつが篠山紀信の「ATOKATA」。

作品の一部はこちらで見られます。

写真展も開催中。
案内はこちら
http://www.shibukei.com/headline/8133/

本屋さんでしゃがみ込んでページを繰る。手には持てぬ大きさゆえ、立ち読みはかなわぬ。

なんだろう。不思議な感じだ。篠山紀信が報道写真家ではないからだろうか。
上のリンクで篠山さんは美しいと感じられるのではと言っているが、それとも違う。
美しいとまでは感じなかったが、報道写真にあるギドギド感がないというか、どぎつさがない。だからか、詳細に見ることができる。1ページ、1ページ、ゆっくりと見てしまう。

時間が経過したことで、写真を見ることへの心構えが出来たいたのかもしれない。震災直後に発売された写真集を見た時は、ただただ圧倒されていた。写し出された自然の破壊力と悲劇に打ちのめされて何も考えられず、写真も慌てて見て終わりだった。

じっと見た方がいろんなものが見えてくる。写真に写っている実際に合った事柄も見えるし、写真の向こうにあった人生に生活に思いを巡らすこともできる。でも、篠山紀信の写真には人が全然入り込んでいない。
がれきの山、壊れた家か店の壁に貼ってある、とてもとても古いビートルズの写真、折れ曲がった木、からみあった漁網。ただそれだけ。

でも、うーん、やられちゃったのよ。その後に篠山紀信は用意していたんだよ。肖像写真を!生き延びることが出来た人たちがまっすぐこっちを見ている。力強い目線の人もいれば、悲しげな顔の人もいる。無邪気に笑っている子供もいる。
本屋だということを忘れてポロポロ泣いちまったじゃないですか!何がどうこうして、涙が出たとかそういうことはわからない。
とにかく、見てください。

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