セバスチャン・サルガド
週末、久々に東京都写真美術館に行ってきた。
サバスチャン・サルガドの「アフリカ」展を見るために。
打ちのめされるぐらいに素晴らしいと言うとおかしな表現だけど、写真が伝えてくるものに圧倒された。そして、写真がここまで出来ること、それを示してくれたセバスチャン・サルガドに敬服。
どの写真も素晴らしかったけれど、いくつか心にどしんと響いてくるものがあって、この写真はそのひとつ。
1984年、エチオピア、コレムの難民キャンプで暮らす、授乳中の母親のために設置された「セーブ・ザ・チルドレン基金」が運営する栄養センターで撮った写真。
子を抱く母の絵と言うと、聖母マリアとキリストを描いたものが2000年の歴史の中で数え切れないほど描かれてきたし、そのいくつかは名作と言われているだろう。そういった絵を彷彿とさせるような構図でありながらこの写真からは救いのない世界を感じる。
母親の目、力なく下がった痩せた棒のような腕、ミルクを飲む赤子。 この親子は生き延びることが出来たのだろうか?
でも、ミルクを飲む力のある子に、後ろから差し込んでいる光に、絶望ではなく希望を見出すのだろうか?
でも、実物を見るのがベストなので会期中に(12月13日まで)、是非、恵比寿まで足を運んでください。
食べ物で贅沢を言っている自分がおそろしく恥ずかしい。
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