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quinta-feira, 28 de fevereiro de 2008

映画と小説

最近(と思うが)、小説の映画化が多くなっているように思う。映画を見る前に原作があることを知ってしまうと、「読んでから見るか、見てから読むか」と悩んでしまう。そういう人は多いようで、このフレーズを入れてぐぐるとかなりの件数が出てくる。

昔、はるか昔から名作を映画化するということはあった。頭に浮かぶのは「風と共に去りぬ」である。これは、映画も小説も大感動した。わが青春の一冊であり映画である。
最近では、「ロード・オブ・ザ・リング」が小説も映画も良かった。

他にも小説も良かったし映画も良かった(たいていは小説を先に読んでいる)という作品はあったと思うが、とりあえず、この2作しか今は頭に浮かばない。

この2作に共通しているのは映画が長いと言うことである。正確な時間はわからないが「風と共に去りぬ」は途中休憩があったし、「ロード・・・・」にいたっては3部作である。つまり、たぶん、小説の世界をしっかりと描ききるには2時間程度では収まらないと言うことなのだろうか。特に長い小説の場合。

今日、「君のためなら千回でも」を見てきた。やはり、描ききれていない。薄っぺら感が残った。小説は文庫にして上下なのでかなり長い。あらすじを追っただけ、それもかなりはしょってしまった映画になっていた。ここが脚色や監督、編集をする人の腕の見せ所なのだろうけれど、ちょっとがっかり。
小説を読んでいなければ、もっと感動出来たのかなと思う。こういう場合は後から読むべきだったのか・・・。

映画の良いところは、自分の乏しい想像力では描き切れなかったり、知らないがゆえに間違ったイメージを持っていたりするところをビジュアルで見ることができることだ。映画の「風と共に・・・・」で、私が一番びっくりして今も記憶に残っているシーンのひとつは、南北戦争時の負傷兵たちが収容されている野戦病院の様子だった。戦争とはこういうものなのかとつきつけられた。これは本を読んでいただけでは、規模の小さな、痛みの少ない情景で終わっていたと思う。史実や実在している物や景色のビジュアルで見せてくれるのが映画。さらに、「ロード・・・」はファンタジーなので、それこそ映画界の人の遊び場。その遊び場に一緒に入って、「あー、こうだったのか!さすが!」と手を叩いて喜べる映画だった。

一方、小説は「自分の頭の中に世界」を作り出すことが楽しい。作家が作った世界だけれど、頭に描くのは読者。したがって、100人いれば100人の主人公がいることになる。自分の頭の中で私がイメージする姿形の人が愛を語ったり、家も建てれば殴り合いの喧嘩もするのだ。私は時々、自分の頭の中を原作者に見せて、「それ、違うだろー」とか言われてみたいと思ったりしている。

小説の後で映画を見た場合に、話が薄まってしまったなという感想と別に良くあるパターンが「イメージが違う」。でも、これは自分の想像力の限界だったり解釈の違いだったりするから仕方がないと思う。映画の製作者と私の意見が合わなかったということだ。

今、私は「つぐない」の原作「贖罪」を読んでいるのだが、今日、「君のためなら・・・」を見たせいで、同じようにがっかりしたらイヤだなぁ~と思ってしまった。しかし、一点、いいことがある。主要登場人物のイメージに差は出ないということだ。なぜなら、予告編を見てから本を読み出したから。俳優さんたちが私の頭の中で演じている。

これは、読んでから見る、見てから読むとは違う新しいパターンだ。小説を読む楽しみを維持するには予告編も封印すべきなのか・・・・。それとも、とぼしい想像力を補うにはそれぐらいは見て良しとすべきなのか・・・。

悩みはつきない。

そして、夜中に書く文章はめちゃくちゃである。寝よっと。

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