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domingo, 26 de fevereiro de 2006

本、紅茶、雨

「次にお待ちの方がいらっしゃいますので、貸し出しの延長はできません」

私はちょっとむっとした。貸し出しを待っている時にいつもひどく長く待たされていた気がしたので、貸し出しの延長が出来ると思っていたのだ。

「一度、お返しいただいて、又、予約してください」

それでは、いくら短編集でもなんだか気の抜けたサイダーになりそうである。

「今、何時ですか?」と図書館員に聞く私に怪訝な顔をする係員。「時計を持ってないので」

「2時15分ですが、何か?」
「読み終えてから持ってきます」

図書館を出て喫茶店に向かうことにした。図書館で読むのが普通かもしれないが、雨が降っていてただでさえ空気が悪い館内、あまり気持ちの良くない匂いが漂っている。

喫茶店で紅茶と栗のケーキを頼んだ。モンブランは甘くて好きじゃないのに、おいしそうに見えた。紅茶を持ってきた女の子が言った。こちらは差し湯です。先日も都内のホテルで紅茶を頼んだら差し湯だと言われた。こんな言い方、かつてはしていただろうか。変な日本語に感じた。

ケーキを食べながら本の続きを読む。おかしな話の連続。まるで今、私がやっていることもこの作家の手にかかるとお話になってしまうのではないだろうか。

お金がない。本を買うお金がない。図書館を利用する。期日には返したいとムキになり、紅茶とケーキに本代の半分以上を使っている。思えば喫茶店で本を読むのが好きな私は、こうしてお金を使っていることが多い。冷静に考えなくても愚かだ。それが言いすぎなら抜けている。それでも、ひとりで喫茶店で美味しいコーヒーやケーキをいただきながら本を読みのが楽しい。

すっかり良い気分になって喫茶店を出た。まだ降りしきっている雨の中、家路につく。

図書館に本を返すのを忘れた。


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