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quinta-feira, 9 de dezembro de 2004

12月8日

24年前の12月8日、ジョン・レノンがニューヨークで殺された。

私はカルフォルニアにいた。外から帰って来るとドミトリーの中はビートルズの音楽で溢れていた。どの部屋の前を通ってもビートルズの歌声が聞こえる。廊下はハッパの匂いとビートルズで一杯だった。学生たちが激しく部屋から部屋へと行きかっている。なぜかなと思ったけれど、そのまま自分の部屋に入った。

机に向かってラジオをつけ、聞くともなしにボケっとしていた。やっぱりビートルズだ。

ジョン・レノン、ニューヨーク、死亡・・・・

ヒヤリング力のない私の耳に言葉の断片だけが残っていく。理解が出来ない。これは勘違いに違いない。振り返ってルームメートのパティに訊いた。

ジョンが死んだの?

パティは悲しそうな顔をして「YES」と言った。

その時、私は何を感じていたのだろう。24年という4分の1世紀近い年月が流れてしまうと、自分がその時に感じていたことなのか、後から思ったことなのか、すべてがこんがらがっている。

あのドミトリーの小さな部屋。パットと向かい合って何かを話した。私がどれだけビートルズが好きでジョンが好きでという話をしたのだろうか? 私が、そこにいた理由はビートルズだったのだから。ジョンやジョージに会った時に英語が出来なければ話が出来ない・・・。英語を話せるようになりたいと思って語学留学をして3ヶ月。私はなぜここにいるのだろう? ジョンはどこに行ってしまったんだろう。新たな始まり "Starting Over"だったはずなのに・・・。これから聴けるジョンの歌を楽しみにしていたのに・・・・。誰がジョンの命を奪ったの? なぜ?

ルームメートのパティは40歳で看護婦さんをしながら大学に入りなおした人だ。すでに孫もいた。そのパティが、あの時に言った一言だけははっきりと覚えている。

「残された人の方が辛くてかわいそう」

ヨーコ。

翌日、今までは読んでも意味がわからないからと買わなかった新聞を初めて買った。泣き崩れているヨーコの写真。悲しみが現実として感じられジョンの死を知ってから初めて泣いた。

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