ヴィスコンティ
ヴィスコンティ映画祭に火曜日に引き続き行ってきた。
まず言いたいことは、もっとまともなイスのある映画館で上映して欲しかった。(有楽町朝日ホールでの上映だった)。
火曜日に「ベニスに死す」を見ながら半分近く感じていたのは、イスの座り心地の悪さだった。最近のシネコンや改装されてイスが良くなった映画館で甘やかされていたせいか、何?このイス?なのである。近頃は電車の座席にしても座り心地が良くなっていて、いろんな分野でいろんな人が研究しているんだなぁ~と関心していたので、築20年のマリオンの年輪を感じた(^^;
さて、「ベニスに死す」の感想は後回しにして、今日見たのは「地獄に堕ちた勇者ども」。原題は La caduta degli dei.
ん? 私が辞書で引いてみると、うーん、日本語のタイトルはかっこいいけれど、原題からの印象と違うのだが。
堕ちた先は地獄だったかもしれないけれど、原題の方が「堕ちていくぞ~」と言う動きが感じられる(^^; 目線の違いか。
まぁ、そんなことはどうでもいいけど。
良くわからない映画だった。ヴィスコンティは何を描きたかったのか? ?????である。
だから、いい映画なのか悪い映画なのか、なんとも言えない。楽しんだか?と聞かれれば、お尻は痛かったが、ヘルムート・バーガーは楽しめたし、変なつっこみどころのある映画であったとは言える。
しかし・・・・。
家に帰ってから2000円以上もしたこの映画祭のプログラムを読んでみた。
ワーグナー、マクベス、ドフトエフスキー・・・・
そんな要素が詰まっている映画だったのか!
そういう教養?がない私がわからなかったのは当然なのか。
映画に限らず、自分が持っている文化と違うものが多く描きこまれているものを見ると感じる壁だ。もっとも、ヨーロッパ人にしても、どれだけの人がドフトエフスキーを読んでいるのかは疑問だけれど。
そう考えて思い出したのは、「ロード・オブ・ザ・リング」とトールキンの「指輪物語」のことだ。
この本の認知度は欧米に比べたら日本は、ほとんどないと言っていいくらいだった。しかし、あれだけ映画がヒットしたというのは、どこの国に生まれ育とうが共通して持っているもの、変わらないものが書かれていたからだろうし、映画としての表現力が素晴らしかったんだと再確認した。トールキンを知らなくても楽しみ感動したのだから。
様々な文化を越えて変わらないものを「地獄に堕ちた勇者ども」から探せば、それはヘルムート・バーガーの「美」でしょう。女装して歌いナチの制服を着て敬礼をする。メーキャップした顔も見せれば子供ように怯えた表情も見せる。カジュアルな洋服でかろやかに階段を駆け上がって行くかと思えば、小柄ながらも綺麗な肉体を披露する。
ヘルムートのプロモーション映画のようでもある・・・。
ヴィスコンティのファンの方、ごめんなさい。これが正直な感想だ。
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