コロンバイン・ハイスクール・ダイアリー
「エレファント」と言う「誰も知らない」と同じように実際に起きた事件をモチーフにしている映画を夏前に見た。
1999年にコロラド州コロンバイン高校で起きた無差別乱射事件だ。同じ学校の生徒2人が先生1人を含む13人を射殺した(生徒2人はその場で自殺)。(マイケル・ムーアが「ボーリング・フォ・コロンバイン」で同じ事件を扱っているので知っている人も多いと思う)
ガス・ヴァン・サイトの監督・脚本によるこの映画は2003年のカンヌ映画祭でパルムドールと監督賞をダブル受賞しているけれど日本ではそれほど見られなかったみたいだ。
この映画も「誰も知らない」と同じように声高に何かを訴えているわけではない。でも、見た後に「どうしてだろう?」と思う。どうしてこんな悲惨な事件が起きてしまったのか?こんな風になってしまう前に止めることは出来なかったのか? これはアメリカだけの話なんだろうか?
そんなことを考えていたら、「コロンバイン・ハイスクール・ダイアリー」と言う本が出版されたので、すぐに買って読んだ。事件を起こした男子生徒と仲が良かった子が書いた本である。原題は、"No Easy Answers The Truth behind death at Columbine"。
読んでいてヒリヒリと心が痛かった。本を書いている子も事件を起こした子もかわいそうでならなかった。アメリカと日本、場所は違うけれど10代の子供というのは同じだ。
自分の高校生時代を思い出してみれば、なんとノンキな生活だったんだろう。それでも、映画や本に出てくる高校生たちに共感する部分が多い。先生や大人は何も見てない、見ないふりをしている。社会なんて信用できない・・・。日々、真面目に学校に通いながら、こんなうさんくさいところから早く出て行きたいと思っていたように思う。
それでも、深刻なイジメがあったわけではなく、タバコを吸ったぐらいで停学になるような学校だった。だから、今、イジメが日常化しているような生活で、子供たちはどうやって生き延びようとしているのだろうか、そう思うと辛くて悲しい。
高校生がお化粧をするようになっても、乱暴な口をきいても、夜中まで遊んでいても、たぶん、中身は私が高校生だったころと変わらない。10年ちょっとしか生きてきてないのだ。いろんなことに責任が取れる年だけど、まだまだ守ってあげたり、一緒に話を聞いてあげたりして、大人になっていく過程を過ごしていかなければならない年代なんだと私は思う。そういうことを私たち大人は、社会は、忘れてないかな・・・・。
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